日記以外の何者でもない

ここにその日あったことを垂れ流す。

最悪の出来事は、最高の朝食から始まる

今朝、車を駐車場から出して約50m。異変に気がついた。明らかに車体が振動している。しかもタイヤが一回転するごとにガタン。もう1回りするたびにガタン。これはあれだ、学生時代に自転車通学していたときによく体験したやつだ。とりあえず路肩に停め、ドアを開けて後輪を確認する。見るからにぐにゃりとひしゃげたタイヤ。まるで生気を感じられない。フン〜、と長く鼻から息を吹き、ドアをバタンと閉めて横に広がる水を入れたばかりの田んぼを見た。ーー今日の朝はなかなかすてきなものだった。いつもは私が一番最初に起きるのだが、今日はなかなか起きれなかった。逆に、奥さんが珍しく早起きしたらしく、なんと朝4時から朝食用のパンをせっせとこしらえていた。最近、パンやお菓子を精力的に自作している。新しい借家に移ってからキッチンに立つのが楽しくて仕方がないのだそうだ。それを聞いただけでも引っ越しをしたかいがあるというものだ。私はいつもは6時半には自然と起きるのだが、今日はなかなか布団をでるに能わず、ぬくぬくと布団にくるまり覚醒と夢の中を行ったり来たりしていた。7時を過ぎ、「いつもより早いけど朝ごはんにしませんか」との呼びかけでようやく私は起き上がり、奥さん特製の胡麻パンとハッシュドポテト、最近作り置きしているきのこのマリネ入りのサラダ、そしてコーヒー。ここに書いているだけでも幸せになるような理想の朝食であった。ーーからの、パンクである。もう、もう、とにかく最悪だ。なんたってこの落差が、すごい。絶望に打ちひしがれながら打開策を考える。このままどうにか走ってガソリンスタンドまでたどり着けないものだろうか。駄目だとわかっていても走らせてみる。規則的なリズムで揺れる車体。そうだ、思い出した。パンクしたまま走ると、タイア交換だけでなく車体の修理も必要になると以前聞いたことがあるぞ。やはり無理だ。戻ろう。少し進んだ道を戻る。とりあえず遅刻は確定したので上司にメール(ちなみに上司もこの日、子供の保育園が、、、とか言って遅刻した)。朝1で打ち合わせ予定だった業者にも連絡し、時間をずらしてもらう。さて、どうするか。残念ながらJAFには加入していない。ガソリンスタンドに連絡して出張修理してもらうということも考えたが、今月の財布を考えると出費は最小限にとどめたい(ケチ根性は美徳である)。かくなる上は自分が頑張るより他はない。車のバックドアを開け、スペアタイヤを取り出す。同時に、近くに格納されていたジャッキも取り出す。いい調子だ。パンクしたタイヤのホイールカバーを外す。マイナスドライバーがなかったので庭に落ちていた娘のシャベルで代用する。外せた。これがナットだな。えーと、工具。……あれ、工具がない。車のどこを探してもない! 30分ほど探したがやはり工具は見つからなかった。工具がなければ何もできない。お手上げである。

私はその瞬間、すべてを放棄した。